ハズレ曲のないアルバム
こういった記事では、よく「この中で個人的に好きな曲は……」といって、3曲くらいピックアップしている光景を見かけます。
ぶっちゃけ自分でもよくするんですけどね。
しかし、今回はそんなことはしません。
というかできません。なぜなら、今回のアルバム、
嫌いな曲などもはや皆無だからです。
いえ、別に今までの麻枝さん関連曲に嫌いなものなどありはしないのですが、馴染みにくい曲というのもどうしてもあるわけですよ。
特に初聴では、スルメ曲の多い麻枝さん曲はスッと入って来ない場合が多いのです。
しかしですねぇ……。
驚くほどに全ての曲がキャッチー!ハズレ曲など皆無で、むしろ好きな曲しかありません。
全ての曲がスッと入ってきて、1回聴いただけで好きになり、数回聴いただけでもうメロディーをだいたい覚えられてしまう。
こんなアルバムが今まであっただろうか?
いや、あったかもしれないけど、それでもこれはすごい!
「この中で好きな曲は」云々を強いて挙げるとすれば……
01. 終わりの世界から
02. ふたりだけのArk
・
・
・
12. Heroの条件
13. この惑星のBirthday Song
はい、全てです←この行為に果たして意味はあるのか?
一聴だけでOK
この時点で元祖(?)『
Love Song』とは大きく異なります。
『Love Song』の場合、そのほとんどが
スルメ曲。
1回聴いただけでは「何やこの曲は。訳わからん!」で終わってしまいます。
実は私も最初に聴いた時は今一つピンと来ませんでした。
麻枝准なる人物を意識し始め、彼の曲をもっと聴いてみたいと思うようになった時(あれLoveっぽいかm)、比較的早い時期に『Love Song』を知ったのですが、結局購入には至らず。
購入したのはかの弾き語りライブで「僕らの恋」にボロ泣きしたのがきっかけという有様です。
こんな風に、初心者殺しの属性を持つ『Love Song』なので、私はよく「
3周は聴いてみて下さい」と紹介しています。
軽く聴くだけではなかなかピンと来ない……という実体験もありますし。
ところが『終わりの惑星のLove Song』の場合、そんな必要はありません。
1回聴けば分かるッ!こうおすすめできます。
もしかしたら、今までの麻枝さんの曲が基準になってしまっているからかもしれませんが(汗
一方、『終わりの惑星のLove Song』を聴いてから『Love Song』の存在を知った方が(ガルデモの時よりはまだ少ないにしても)ギャップを感じてポカーンとなってしまったり、逆に古参ファンが俗っぽく・物足りなく感じてしまったり……ということも考えられます。
キャッチー過ぎるのも、いいこと尽くしではありません。
でも『終わりの惑星のLove Song』は、聴く人の心を捉える立派なアルバム。
僕は好きだよ!
このアルバムの曲紹介
それでは、そんな好きな曲尽くしの『終わりの惑星のLove Song』の感想を、1曲毎に適当に書いて行くことにします。
紹介というより感想ですが、そこは語感重視ということで。
01. 終わりの世界から
好きな曲その1。
コミケでの先行シングルでも収録され、当時から多くの人の心をがっちり捉えた名曲ですね。
麻枝さんの中ではアップテンポなメロディーに乗せ、しかし綴られるのは少女の切ない想い。
この組み合わせがなんとも絶妙です。
アップテンポな曲なので、今までの麻枝さんの物語曲とは大きく異なる印象ですが、そんなことはありませんね。
ファンタジーorSFチックな設定を核としているところとか、でも結局描くのは現実でもありそうな少年少女の想いなところとか。
つっこんだら負けでもあり、考察する余地が多くもあり。
いかにも麻枝さんな内容です。
そんな物語が、キャッチーなメロディーに乗っちゃったら、もう無敵ですよ。
イントロを聴いただけで引き込まれること間違いなし。
ちなみに、
曲の末尾が先行シングルと違う(次曲へのつなぎが入っている)という別の意味でも泣かせ仕様。
02. ふたりだけのArk
好きな曲その2。
イメージイラストを観た時は、先行シングル限定曲「きみのairplane」のような、どこか幻想的な曲ではないかと想像していましたが、大きく裏切られました。
しかも、なんか勝手に年齢高め(18~20歳)の2人が登場するとか思ってましたが、もう色々と違いました。
幼さを残す子供が世界の果てまで無謀にも突き進んでいくような、これまたアップテンポな曲です。
もう曲のスタートからいきなりアップテンポです。
だがそこがいい!いきなり耳慣れた耳慣れない変拍子が入ってくるのも、麻枝さんらしくていいですね。
いわゆる麻枝節というええとなんていうか。
序盤ではとりあえず“僕”に萌えればいいと思います。
その後どうなるかは、もちろん聴いてのお楽しみ。
ちなみに“Ark”は方舟とかそういう意味なんですね。
シラナカッタ。
全然関係ないのになんとなく「折れない翼」を連想させるのは、間奏のメロディーと、何よりとある歌詞のせい。
03. Killer Song
好きな曲その3。
『終わりの惑星のLove Song』の中で1番最初に公開された曲であり、先行シングルの表題曲でもあった曲ですね。
というわけで、何度も聴いている人にとっては「懐かしい……と思ったけど、そういえばこのアルバムの曲だったっけ」というなんともいえない気持ちになるかもしれません。
うん、やっぱり懐かしい。アップテンポというか、もうどこでブレスが入るのかよく分からない変た……変則的なメロディー。
“
殺伐”という言葉がこれでもかと言わんばかりに似合う内容。
イメージカラーは血の赤と地の茶でしょうか(heheウマイコトイッタ
まだ聴いたことがない方は、ぜひこの無茶なメロディーを味わってみてください。
04. Flower Garden
好きな曲その4。
ここでようやく落ち着き、これでもかと言わんばかりに美しいメロディーを持つ曲に。
殺伐ニコ生にて麻枝さんご自身で取り上げていましたが、この
イントロのメロディーは反則です。
この曲を殺伐とした「Killer Song」の後ろに持ってきたもんだから、その反則っぷりは心の穢れを全て洗い流されるかの如くです。
かと思いきや、序盤にていきなり心がきれいではない人を釣るかのような(ry
曲名・歌詞・メロディー・歌声・イメージイラスト、
全ての一体感が絶妙。
やなぎなぎさんの美しい歌声も素晴らしい、麻枝史に残るような美しい曲です。
05. 無敵のSoldier
好きな曲その5。
……もうこの表現は飽きてきたかもしれませんが、まだまだ続けますよ!
もう“後半暗くなる麻枝展開”に突入したかと思いきや、すぐにアップテンポな曲に戻ります。
ボスとか特別戦闘用のBGMを感じさせハイテンションになれる曲ですが、BGMっぽいが故にもはやどう歌うのかすら分からない詰め込み具合です。
歌声が途切れることは間奏を除きほぼないというムチャぶり仕様。
とりあえずテンション上げたいときに向いているかもしれません。
歌詞を詰め込んでいるため、内容は分かりやすいですね。
それでいて深い。
ここまで、公開(ムービー)曲→未公開曲→公開(ムービー)曲→未公開曲→公開(ムービー)曲、の順に来ています。
聴いたことのある曲を前半にうまく配置することで、まずは聴く人の心を掴もうという作戰でしょうか。
視点(主人公)も少女→少年→少女→少年→少女となっていますが、まあこれは単なる偶然ですね。
公開曲がほぼ少女視点だったおかげで「『終わりの惑星のLove Song』は『Love Song』の逆で全部少女視点なんだ!」とか勘違いしてしまいましたけどね!
しかしどうしてこう、麻枝さんの描く男キャラはこうもカッコイイんでしょうかね。
06. 凍る夢
好きな曲……いや、“曲”、なのか?
わからない……わからない……。
ということで、曲というか
ポエットリーディング→朗読です。
メロディーに乗せて、歌詞(というか詩)を
“歌う”のではなく“読む”。
ああ、メロディーがあるので、やっぱり曲ですかね。
「え、なにそれ?」と思うかもしれませんが、まあ聴けばわかります。
個人的に『終わりの惑星のLove Song』の中でも特に気になっていた曲ですが、これはやばい。
何がやばいって、もう色々とやばいです。
とりあえず電気を消して目をつぶりながら聴いてみてください。
やなぎなぎさんの新たな才能も見い出せますね。
同じメロディーの繰り返しで「氷時計」を思い出したのは自分だけではないはず。
07.Executionerの恋
好きな曲と書くだけの簡単なお仕事その7。
今までの麻枝さん曲にはなかった雰囲気ですね。
メロディー的にも、内容的にも。
Executionerという職を表すかのように、どこか重みのある雰囲気を持つ曲。
倦怠感と、その裏にくすぶる感情的な部分、その2面性が巧みに表現されています。
ところでこの“彼女”、結構個人的にはツボな容姿と性格の組み合わせをしているのですが、Keyの次回作に登場しませんかね?(チラッ
08. とある海賊王の気まぐれ
好きな曲その8……あっ8だからタコなのか!
たぶん、『終わりの惑星のLove Song』の中でも
一番キャッチーな曲。
とりあえず聴いてみればハマります。
某ひとつなぎの海賊漫画原作アニメにも合いそうなくらい、爽快で疾走感にあふれています。
そして海賊王も男気にあふれています。
これは惚れるやろ……!
イメージイラストの“あたし”も、小さいながらに可愛らしさにあふれています。
タコ見てる場合じゃねぇ……!
サビのメロディーの印象が前半と後半で変わってくるのが面白いですね。
どう変わるかは聴いてからのお楽しみ(第2弾)
ところで、イントロからして宝の地図を信じて自前の船で海に出た物語を思い出したのはきっと気のせいでしょう。
09.雪の降らない星
好きな曲その9。
ここでまた落ち着いた曲になります。
……というか、『終わりの惑星のLove Song』は麻枝さんのアルバムにしては落ち着いた曲が少ないですね。
やはり“ガルデモ以降”、という感じでしょうか。
この曲は、なんといっても
優しいメロディーが印象的。
切ない内容なのに、悲しみよりも温かみの印象の方が強いです。
でもやっぱり切ないです。
冬の日の暖かい部屋は、外の寒さと表裏一体、といったところでしょう。
意外や歌詞の意味が正確に掴みにくいという一面も。
やなぎなぎさんの優しい歌声も素晴らしい。
この歌声なくして、この曲の魅力はありえません。
それにしても、色々な歌声(語り声まで)を使い分けてますねぇ……!
麻枝さんによる「やなぎなぎがいっぱい」計画は成功のようです。
冬になったら改めてじっくり聴いてみたいですね。
10. 火吹き山の魔法使い
好きな曲その10。
またアップテンポに戻ります。
そして現実世界(っぽい話)から一気にちゅうn……
ファンタジーな世界に飛んでいきます。
なんかアップテンポな曲の登場人物は幼い印象ですね。
そんなわけで、この曲も、タイトルやイメージイラストの印象を裏切るかのように、幼い(と思われる)少年少女が登場人物。
まあファンタジーはそのままですが。
とりあえずあれです、つっこんだら負け。
曲の勢いに乗って聴くのが一番です。
この曲も
ムービーがありますが、
限定版に付属のDVDでしか見られないというまさかの
商法仕様。
11. Last Smile
好きな曲その11。
でもそんなに何回も聴くことができない曲。
それはなぜか?
何度も聴いて感動が減るのがもったいないからです。数々の感動曲を書いてきた麻枝さんですが、『終わりの惑星のLove Song』での感動曲はこれでしょう。
というか、明らかに感動路線なメロディーを使った物語曲は、言われてみればあまりなかったように思います。
感動路線メロディーはゲーム中の挿入歌・EDに多かったですし、物語曲はその内容が主な感動要素でしたし。
その新世代ハイブリッドが、「Last Smile」。
そりゃあムービーだって作りたくなります。
他の曲にも言えることですが、麻枝さんによるメロディーの美しさ(良さ)はもちろんのこと、その魅力を十分にも十二分にも引き出してあるいは増加させている
編曲も素晴らしいですね。
穏やかだけど盛り上がるサビのメロディーに涙腺を刺激されます。
12. Heroの条件
好きな曲その12!!……という感じで、いきなりガツーンと来て、何やら締めを思わせるかのような厳かな雰囲気を醸し出し始めます。
その内容は聴いてからのお楽しみ(第3弾)
麻枝さんの親友・
中川さんによるメロディー(サビとか)も必聴。
まさに胸熱。
ただしLove Songなのかは不明……でも好きだよ!
「pierrot」までも網羅し始めたか……!とか思い始めてしまったのは自分だけでいい。
13. この惑星のBirthday Song
好きな曲その13。
『終わりの惑星のLove Song』、最後の曲。
母から子への子守唄のごとく、ゆったりとした
優しさに満ち溢れた曲。
「“Love Song”というか、Love Songの後の話じゃね?」とか「お前が言うな」などと無粋な考えを持ってはいけません(何
目を閉じて歌詞に耳を傾け、情景を思い浮かべてみてください。
フィナーレに相応しい曲の終盤は、何度聴いても心奪われます。
To the closed world
麻枝准史上、最も耳に馴染みやすいアルバム。
……は、あるいは『
Keep The Beats!』かもしれませんが、あっちは設定上ガルデモの曲ということでどうか一つ。
そんな馴染みやすいメロディーに乗せて歌われるのは、麻枝准本人をして「状況説明コンセプトアルバム」と言わしめるほど、内容の詰まった物語。
この組み合わせから生まれるのは、なんともいえない中毒性。
キャッチーなメロディーから。
歌詞として綴られた物語から。
一度聴いたら抜け出せなくなります。まるで、一方通行の道でたどり着いた閉ざされた世界のよう。
しかしそこは、決して“終わり”の世界ではありません。
麻枝准の、やなぎなぎの、
“新たな”魅力と可能性に満ち溢れた世界なのです。
そんな世界に、皆さんも旅立ってはみませんか?
それでは最後に……
だーーーーーーーーーーまえーーーーーーーーーーーー!!!!!!
さいこーーーーーーーーーーーーーーーーーーーう!!!!!!!!!